解説
財産分与では、おもに財産をもらう側が税金を支払うものだと勘違いしている人がいらっしゃいます。
おそらく贈与・相続の場合に財産をもらう側に課税されるために、財産分与でも、もらう側に税金が課されると誤解されるのだと思います。
しかし、財産分与では財産をもらう側は、過大に多い金額であったり、節税目的でなければ、税金(贈与税)を支払う必要はまったくもってありません。
一方で、財産を渡す側については、おもに不動産を譲渡するときに、譲渡所得税という税金を課さなければならない場合があります。
たとえば、長年家族で暮らしていた自宅を、妻に財産分与し、夫は家を出て行くといったケースで、自宅を譲渡した夫に譲渡所得税が課される場合があります。
譲渡所得税の計算にあたっては、夫が自宅を元妻に渡した時の時価を、譲渡所得とする決まりになっています。
しかし、居住用不動産の譲渡の場合は、3000万円までの利益については控除の対象となっております。
つまりは、財産分与の対象となる不動産の時価が3000万円以下であれば、税金を支払う必要がないということです。
ただし、この特例は、親子や夫婦といった間柄では適用されません。
そのため、特例による控除を受けたいという場合には、離婚によって夫婦関係を解消した後に財産分与を行うという必要がありあます。
また、不動産の時期が3000万円を超えるという場合、特例で3000万円のを特別控除したうえで、居住用不動産の軽減税率適用の特例を受けるということもできます。
軽減税率適用の特例は、不動産の所有期間が10年を超えているということが条件です。
なお、慰謝料は、損害賠償金、またはそれに類するもので心身に加えられた損害などに起因して取得されるものとして、相手方から損害賠償として支払われるおのであり、贈与を受けたものではありません。
そのため、原則として贈与税はかかりません。
ただし、財産分与や慰謝料が以下にあてはまるという場合には、課税の対象となりますので、ご注意ください。
1.分与された財産の額が婚姻中の夫婦の強力によって得た財産の価額や、その他すべての事情を考慮してもなお多すぎる場合には、その多すぎる部分に贈与税がかかることになります。
2.離婚が贈与税や相続税免れのために行われたと認められる場合には、離婚によって得た財産すべてに贈与税がかかります。
参考になる他サイト様
http://blog.livedoor.jp/fudousan_soudan/archives/1806636.html(横浜不動産相談所ー財産分与の不動産取得税)
http://www.1-oohashi.com/blog/2016/10/post-297.html(税理士法人大橋会計ブログー贈与税 その9)